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子育てが辛い、その理由と産後クライシス

目次

幸せなはずの子育て・・・辛いのは何故?

出産を終えて、産院から退院。これから、新しい家族との生活が始まります。
実際に子育てがはじまると、「幸せ~」って思うよりも「大変!」となることもしばしば。
どうしてそうなるのでしょうか?

今回は助産師視点で、赤ちゃんの特徴、ライフスタイルの変化と夫婦関係の変化の側面から、お話ししますね。
次回は、カウンセラー視点でのポイントを説明しますので、そちらもお楽しみに。

赤ちゃんの特徴

 赤ちゃんとの生活・・・どのような生活をイメージしたでしょうか?
お母さんは、産後入院中に赤ちゃんと一緒に過ごしてみて、なんとなくわかったかも知れないですね。

まずは、赤ちゃんの特徴です。
①まだ生活のリズムがない。
大人と違い、「朝に起きて夜に寝る」というスタイルがないのです。そして、何故だか夜型の赤ちゃんが多いです。産後のお母さん方に聞いていると、2週間~1ヶ月位でよるに寝る時間が増えたと言う方が多いです。

②胃の容量が少なく、3時間ごと(完全ミルクなら)の授乳が必要
大人なら食事は1日3回ですが、赤ちゃんは違います。完全母乳なら、赤ちゃんに合わせての授乳(そのうち時間はあくようになります)ですし、ミルクなら3~4時間ごとになります。
3時間ごとと聞いて、合間があると思った方も多いようです。
実際は、おむつ交換や調乳、その合間に家事をしなければなりません。
そして、満腹になっても泣き止まない赤ちゃんは多いです。
赤ちゃんは色々な理由で泣きます。次にそれを説明しますね。

③泣きやまない
赤ちゃんが泣く理由は、沢山あります。泣くことでしか訴えられないので、無視するわけにもいかないです。
暑い、寒い、眠たい、おむつが汚れている、お腹すいた、お腹が苦しい、抱っこして欲しい、・・・などなど、沢山です。抱っこで寝たのに、ベットに寝かせると泣き始める子も。
赤ちゃんの「泣き」に対応しているうちに、次の授乳時間ということも。

これだけを見ると「うわ~、大変」となるのではないでしょうか。
人間の赤ちゃんは「生理的早産児」といって、他の哺乳類と比べるととても未熟な状態で生まれてきます。
例えば、犬や猫・牛といった動物は、生まれると自分で歩くことができますね。
人間の赤ちゃんが歩けるようになるのは、だいたい1才くらいです。

他の哺乳類は、生まれてすぐに歩けないと(走れないと)、天敵に見つかった時に逃げられずに生きていけません。
人間は、生きていくために「脳」を特化して発達させた生き物なので、胎児の時点で頭が大きいのです。
人間が「歩けるくらいまで子宮にいたら」、産道を通って生まれて来ることができないのです。

こういった理由もあって、人間の赤ちゃんは生まれてすぐにはほぼ何もできません。
お母さんがそばにいるという安心感があるから、抱っこしていないと泣くということが多いのです。

産後クライシス?

先ほどの赤ちゃんの特徴を知っていただくとわかると思うのですが、「時間の概念」がない赤ちゃんに合わせた生活を送ることになります。
家族が増えて夫婦で役割分担と言っても、
・男性がお仕事
・女性が専業主婦、産休中または育児休暇中
となると、育児をきっちり分担するというのは、難しいのではないでしょうか?
(逆もまたしかりです)

育児をしていると、どうしても赤ちゃんのペースに合わせていく必要があります。
よく、「産後1ヶ月で床上げをし、元々の生活に戻していく」という言葉を聞きますが、これは新しく赤ちゃんのいる生活のリズムを作っていく、という意味です。

専業で家にいても、今まで通りに家事はできません。
炊事も掃除も洗濯も、睡眠も食事も、何もかもが赤ちゃんのお世話で中断されます。
仕事をして疲れて帰ってきても、家で休むというよりは家事を負担する、夜間の育児を分担する、という事も必要になります。
何をどうやって分担するか、実際にやってみて相談して自分たちのスタイルを見つける、試行錯誤の時期になると思います。

さて、ここでお互いの役割の変化が起ります。
夫の役割と、父の役割
妻の役割と、母の役割
が出てきます。「父の役割」も、「母の役割」も、子どもが生まれてすぐにできたり、なるわけではありません。
ですが、「パパになったんだから」「ママになったんだから」という無意識の期待が、心の中に出てきます。
そして、お互いに理想の父親像・母親像を相手に求めたりして、育児方針でぶつかったりします。
お互いに試行錯誤の状況で、睡眠不足も手伝って、冷静に話し合えない・・・そんな状況もあったりしますよね。
私自身がそうだったので、よくわかります(笑)。

赤ちゃんが生まれてからの離婚が多いのは、こんな理由があるのかなと思います。

産後クライシスを乗り切る

赤ちゃんとの生活が始まると、どうしても気持ちのすれ違いがおこりやすいです。
でも、せっかく結婚してこれから!という時期にすれ違ってしまったままでは、悲しいですよね。
と、私は思います。

夫婦二人の関係性がこんがらがっちゃって、どうしたら良いの?と困っている方も実際には多いです。

ではどうしたら良いか。
まずは話しあって、お互いがどう思っているのかを知ることです。
産後ではなく、妊娠中から知っておくのは良いと思います。

産後、男性はこんな風に感じている、女性はこんな風に感じている。らしいよ。
じゃあ、自分たちはどうしようか?
家事とかは、こうやったら負担を少なくできるよね。
・・食器洗いをなくすため、産後は食器全て100均で使い捨て、という方法もあります。

女性は、どうやって手伝って欲しいかを具体的に伝えると良いと思います。
家事もそうですが、産後の入院生活で赤ちゃんのお世話をしてきたママと違い、パパはどう手伝ったら良いのかわからないことがほとんどです。
見ていても、わからないのです。言葉できちんと伝えましょう。

話し合う、しかないんですか?と言われそうですが、話し合わないことには始まりません。
自分たちのスタイルを模索しているのです。
誰かのやり方を参考にしても良いですが、それが自分たちに合うとは限りませんよね。
そして、誰かと比較するのは、話し合いではなく喧嘩のもと。

「●●さんのご主人はこんなにやってくれるんだって。それなのにあなたは・・・」
「△△さんの奥さんは、こんなにやってるんだってよ。それなのにおまえは・・・」

はい、大げんかになると思いませんか?こんな風に言われたら、カッチーーーン!となりますよね。
この●●さんに、自分の両親を当てはめてもいけないと思います。

今、まさにこんがらがっている場合でも、同じです。
話し合いたい、すれ違っている空気を何とかしたい、仲良く子育てしたい、そう思っていることを伝えることからスタートですよ。

今回は子育ての大変さにフォーカスしていますが、それよりも我が子の愛おしさや愛情がもちろん勝りますよ。
だからこそ、悩んでしまうのでしょう。

次回はカウンセラー目線で、子育てについてお話し使用と思います。
参考にしていただけると、嬉しいです。

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